サーフィンレップスインタビュー井手敏和
まずは自分がCO2を排出しているということを身近に感じてください。車で海に行ったらどれくらいCO2を排出しているのかを考えることが大切です。
井手敏和
イデ トシカズ
PHOTO&INTERVIEW : N.HASEGAWA

 CO2の増加で地球が温暖化すると言われています。地球が温暖化すると、地球上の氷が溶けて、海水面の上昇につながります。そうするとサーフポイントが消滅する可能性が出てきます。

  今、この時代だからこそCO2排出、CO2削減について理解を深めませんか?CO2排出・削減に詳しく、日本でのカーボンオフセットのパイオニア的存在、ジーコンシャス株式会社の代表、井出敏和さんにインタビューしました。



-- あなたの名前、簡単なプロフィールを教えてください。


井手敏和、1958年1月1日生まれの51歳。
カーボンオフセットを行う会社、ジーコンシャス株式会社の代表です。




-- カーボンオフセットとは何ですか?

生活していると直接、間接的に排出するCO2があります。
排出したCO2を相殺することをカーボンオフセットを言います。
相殺する方法としては例えば植林してCO2を吸収する方法などがあります。



-- カーボンオフセットを事業にしようと考えたキッカケは何ですか?

カーボンオフセットの考え方はイギリスで10数年前に生まれました。
僕がカーボンオフセットを目の当たりにしたのは2002年に北京で開催されたコンサートのとき。そのコンサート主催者が植林をすることでカーボンオフセットを行いました。そのときにカーボンオフセットにビジネスの可能性を感じました。

 その後、京都議定書でCO2削減目標が各国に定められたことで二酸化炭素排出権について時代が盛り上がってきました。そんな時代の中、2007年11月に会社を設立しました。




-- 一般の人が1日に排出するCO2はどれくらいですか?

 日本人1人が排出するCO2は1日に6kgと言われています。
 その6キロのCO2は呼吸をして直接排出されるCO2や、車や電車に乗ったりして排出される間接的に排出されるCO2が含まれます。







-- 個人でもカーボンオフセットというのはできますか?

 はい可能です。
自宅でガーデニングのような植物を育てたりする直接的な方法やカーボンオフセット商品というものを購入するという間接的な方法があります。 カーボンオフセット商品を購入すると企業があなたの代わりに植林をしたり、CO2削減のための活動を行ってくれます。





-- 現状の地球のCO2量は?多すぎですか?まだ平気ですか?

 CO2排出量は非常に多いです。
産業革命以降、地球規模でCO2の量が増えています。 現代はCO2が非常に多い状態です。




-- CO2削減のために個人でできることはありますか?

 まずは自分がCO2をどれくらい排出しているかを知ることが大切です。
 人は車に乗ったり、飛行機に乗ったり生活の中でCO2を出しています。 自分がどこでCO2を排出しているか知った上で減らしていきます。

  例えば車をハイブリッドカーに変えてみたり、冷蔵庫を省電力製品に変えてみたり。家電製品は近年、省エネ技術が進んでいます。5年前に製造された冷蔵庫なら省エネが進んでおり、冷蔵庫を作る時に排出されるCO2を考えても、買い換えた方がCO2削減になると言われています。

  まずは自分に出来る範囲でCO2削減をしてみることが大切です。





-- 環境問題を意識しているサーファーは多い。サーファーにできるCO2削減は?

 サーフィンという遊び方自体はCO2を出していない。しかし多くのサーファーは車で海へ行っています。

 まずはCO2を排出しているということを身近に感じてください。車で海に行ったらどれくらいCO2を排出しているのかを考えることが大切です。そしてローカーボンな暮らし(CO2をあまり排出しない暮らし)を意識するのが大切です。

 ハイブリッドカーに乗ったり、他のサーファーと相乗りして1台の車で海へ行ったり。エコノミー(経済的)とエコロジー(環境にやさしい)は似たようなものです。

  相乗りや省電力製品を選ぶことは経済的でもあるし、環境にやさしい生き方でもあります。



-- どうやったら個人のCO2削減を進められますか?

 CO2を減らしたいという気持ちがあっても、不便、気持ちよくないというものは率先してやりたくないものです。CO2削減をしたいという気持ちがあっても、そこが難しいところです。 CO2削減の行動がお得でエコだと誰でもやりたいですよね。

 モノを処分してシンプルに生きることでも省エネなスタイルになります。シンプルライフが浸透してくるとエコが広まります。シンプルライフが合理的でカッコイイ!と思ってもらえればいいと思います。

 サーファーは世間でかっこいいと言われています。サーファーのみなさんがシンプルで省エネな生き方を率先して行って、世の中のみんなにカッコイイと思ってもらえればエコライフが浸透するのではないでしょうか?






<マメ知識>
CO2→温暖化→海水面の上昇→サーフポイントの消滅

 日本でも海水面の上昇は起きているのか?ニュースで遠い国で起きているのは見たことがあるが。。。
実際はどうなんだろうか???

 日本では数センチ位の海面上昇が起きている。北極の氷が解けても海水面は上昇しない。なぜなら北極の氷は元々海に浮かんでいるから。 陸地の氷が解けたら、海面は上昇する。グリーンランドの氷が溶けたら海面は7m上昇すると言われています。

「ポイントオブノーリターン」
地球の平均気温が2度上がると取り返しがつかないことになると言われています。
例えば永久凍土などが溶けたり、海水面の面積が広くなると地球自体が太陽光を吸収しやすくなり、海水温が高くなるとも言われています。

産業革命以降1.7度 平均気温が上がっている。
2050年までにCO2排出量を現状の50%削減することが目標。

 



<プロフィール>

名前 井手敏和 (イデ トシカズ)
生年月日 1958年1月1日生まれ
その他  井手さんが代表を務めるジーコンシャス株式会社では、エコのために各部屋に扇風機を設置したり、観葉植物を置いています。また環境に優しい原料を使っている家具などを置いています。
  「グリーンエキスポ」というエコ商品、エコ企業が集まるイベントも主催しています。