5坪の売り場面積のショップで年商1億以上の売上げるまでに成長しました。 |
奈須信夫 |
ナスノブオ |
TEXT&PHOTO&INTERVIEW : N.HASEGAWA |
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愛知県安城市で230坪のサーフショップを経営。26歳でショップをオープンさせ、たった8坪のショップから国内最大級のプロショップにまで成長させたカリスマショップオーナー。
一方では、NSA(日本サーフィン連盟)やASU(愛知サーフユニオン)などにも尽力している。
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-- サーフィンを始めたのは何歳ですか?
18歳です。
学生のときのバイト先に社員の人に連れて行ってもらいました。
当時流行りだったハコスカの車で伊良湖に行ったのが最初です。
その当時は自転車の荷縄をリーシュコード代わりに使っていました。
-- 初めてのサーフィンの印象は?
楽しかったけど、長く続けるとは思いませんでした。
初めてサーフィンに行ったときに、コーラをクーラーボックスに入れてビーチまで持って行っていました。海から上がってクーラーボックスを開けると中身が空っぽになっていて、横にいたローカルの人が勝手に飲んでいました。散々な思い出でした...(笑)
-- ショップオープンはいつ?
何歳ですか?
1986年、26歳のときでした。ショップの下働きなどはしたことがなく突然始めました。
それまでは建設会社の仕事やトラック運転手をしていました。通っていたサーフショップが閉店したので、とりあえずサーフショップをやってみようと思ってやってみました。当然、店舗運営などは何も知りませんでした。
-- サーフショップを突然始めたということですが、どうやってスタートしたのですか?
お金も車も何もない状態だったので、借金してサーフショップを始めました。自己資金はゼロ。銀行からお金を借りるということもよく分からなかったので、嫁の親、嫁からお金を借りて始めました。
当然、サーフショップだけでは食べて行けなくて午前中は学校給食の牛乳の配達の仕事をしていました。毎日朝6時から12時まで配達の仕事をして、午後からショップをオープンさせていました。そんな生活を9年間続けました。
-- 最初から「マニアックサーフ」として今の場所で始めたのですか?
始めたのは「オアシス愛知」という名前のサーフショップで、フランチャイズでサーフショップを始めました。当時は「オアシス」というサーフショップがいくつかありました。オアシス愛知は、総面積が8坪で、売り場面積がわずか5坪の本当に小さなショップでした。
そこでコツコツと商売をし、8年後には5坪の売り場面積のショップで年商1億以上の売上げるまでに成長しました。
今考えると5坪のショップで年商1億はすごいと思うけど当時はそんな実感もなく、相変わらず午前中には学校給食の配達をしていました。
そしてショップをはじめて9年後に「マニアック」に名称を変更し、フランチャイズを辞め、完全に独立したショップとして再スタートしました。オープン12年目にはショップを現在の場所に移転し、面積も一気に拡大し、店舗面積50坪、駐車場やその他を含めた総面積230坪の大きなサーフショップとなりました。
-- どうやって現在の規模にまで拡大したのですか?
2つのバブル時代が売上を一気に伸ばしてくれました。
1つはスノーボードの大ヒット。商品を入荷すればどんどん売れました。
もう1つはサーフィン業界のバブルでクイックシルバーやロキシーが大ヒットし、オープン前からショップに行列ができて、オープンと同時に商品が売れました。商品が段ボールで届くとお客さんが勝手に段ボールを開けて、商品を買っていきました。本当に売れすぎて、商品が足りない時代でした。
そんな時代を経て現在の230坪のショップに移転しました。
-- 現在のスタッフは何人ですか??
全部で5人います。
すぐにスタッフが増えたわけではありません。
1人目のスタッフは給食配達でパンを配達していた同僚がスタッフになりました。それはショップをはじめて4〜5年目くらいでした。
そして2人目のスタッフが入ったのが8年目くらい。長い時間をかけて徐々にスタッフが増えていきました。
-- サーフショップを長年経営し続けるコツは何ですか?
前向きな気持ちで続けること。楽しい気持ちで仕事をしてお客様にサーフィンが楽しいことを伝えていくことが大切です。内向きになると仕事が悪いサイクルになっていくと思います。
またNSA(日本サーフィン連盟)を続けることも大切。
NSAがアマチュアコンペティターのサーファーを育てていて、そのおかげでサーフィン業界が成り立っていると思っています。自分たちを支えてくれている団体のために自分ががんばるのは当然のことだと思います。
-- 今はサーフショップが不景気の時代だと言われていますが、乗り切るコツはありますか?
目の前にあることをちゃんとやっていくこと。そして現実を見て、堅実にやっていくこと。
お客様と一緒に海へ行って、自分は海に入らずにお客様のビデオを撮影したりしています。
またスクールもできるだけ自分がインストラクターをするようにして、サーフィンの楽しさを伝えるようにしています。
スタッフに任せて自分は何もしなくなるよりも自分が最前線に出て、いろいろ見て感じることが大切だと思います。
-- これからサーフショップを始めようとしている人や若いショップオーナーにメッセージをお願いします
まずは借金をしてみては?(笑)
借金をすると商売に本気になれると思います。本気になるとお客様のこと、ビジネスのこと、スタッフのことなど、いろんなことに本気で取り組めると思います。借金をするなら公的機関からの借金がオススメです。その後のトラブルが少なくなると思いますよ。
貯金するよりも借金して行動する方がいい。ショップをオープンするまでにいろいろ大変なことがあると思います。それを乗り越えられないようだと辞めた方がいいですね。友達が多いから、サーフィン業界に知り合いが多いからという理由だけで始めたら失敗するかも?
地に足つけてコツコツがんばることが一番いいと思います。
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