サーフィンレップス2010年 千葉県一宮海岸 砂浜消滅問題
2010年 千葉県一宮海岸 砂浜消滅問題
2010年 千葉県一宮海岸 砂浜消滅問題の現実を知ろう!
日本で最もプロサーファーを多く輩出してきた、サーフポイント千葉県九十九里浜。そんな素晴らしいサーフポイントが大変な危機となっている。先週、サンライズポイントにて行われた千葉県一宮海岸砂浜消滅問題について全国のサーファー 一同が集い、今後の工事内容や今後の動きについてなどの説明会が行われました。 今回の一番の問題となる千葉県長生郡一宮町海岸侵食対策事業6号ヘッドランド(人工岬)の平成21年度工事について。 近年、千葉県九十九里浜辺りで潮の流れが変わり海岸の砂が流され続けている状況が昭和63年以降に始まる。千葉県対策事業部が昨年夏に開いた、住民説明会で千葉県と住民双方の間でこの点が確認されたはずが、突然2010年1月30日に住民に何の説明もなく工事再開されたのが、事の問題の原因ともなる。 現在、一宮の海岸環境を考える会 代表でもある小松直之氏が工事一時中止を要望し、署名運動も盛んに行われ始めました。 では地元住民に説明が無いのは、なぜなのか?なぜ工事は再開されたのか?そして、今後の千葉九十九里浜はどのようになっていくのか?サーフィンレップスとしましては、平等の立場で今回の問題を様々な視点で捉えてみようと思います。全てを、把握した上でやはりこの問題に賛同するという方は、お手数をお掛けしますが署名等宜しくお願いします。 〜砂浜が消える現象はなぜ?〜 全国様々の海でも問題となっている海岸侵食問題。サーファーには必要不可欠といえる波のある海では現在、少しづつ海岸の砂が海に流され続けている。では、なぜ海岸の砂は沖にいってしまうのか?調べてみると、潮の満引きが関係をしているようだ。科学上、月の引力と共に海は少しづつ大陸を削りながら動き続けている。そして火山などで起こった地球大陸活動で新たに大陸や島などが生まれる。このような、連動的な動きが地球にあるからこそ、生命が維持をし続ける事が可能となるそうだ。目の前の海・砂は消えているように見えるが、実際は大きな海が砂を持ち帰り、新しい陸地を形成していき、様々な所に砂を運んでいるという説もある。 そして潮の満引きと海の海水、そして低気圧や高気圧により波が形成され、サーファーが楽しめる波が発生するしくみとなる。 〜砂浜が無くなるとどうなるの?〜 まず第一は国土の問題が発生。日本全国、ほんの少しづつ国土は狭くなってきてはいるが、埋め立てなどにより国土を少しでも守る為の工事なども行われています。沿岸などでは水害や幹線道路などへの被害が懸念されています。高波浪時の越波による背後地への浸水被害も確実に起こるそうです。 第二では海沿いにある家屋、別荘、ペンション、保養所、サーフショップ、保養地、千葉県民施設などの甚大被害。 水侵被害、塩風害、土地の消滅など生活に甚大な支障があると考えられています。 〜工事が開始されヘッドランドが完成したらどうなるのか?〜 今まで形成されていたサーフポイントの消滅となる。日本有数のサーフポイントがある九十九里浜。一宮ポイントから太東ポイントは全国のサーファーから愛されているポイントが消えていく事が考えられます。 それにより、一宮エリアでのサーファーの減少。 千葉へ移住するサーファーや一般家庭の減少。近隣のフード店やサーフショップ、施設利用者減少により一宮エリアの景気悪化や深刻な経済打撃が考えられます。 〜なぜ、地元住民には説明がなかったのか?なぜ工事は再開されたのか?〜 今だ、行政からの明確な答えはありません。しかし、ある程度判断できる内容をお伝えしていきます。 行政は昭和63年から海岸の砂が無くなるの阻止するためヘッドランド10号までを建設。写真1を見て行くと、2003年には深刻な状態になる。建設した当初は現況をさらに悪化させたが、しばらくすると砂浜後退量が低減する数字が明確とされ、ヘッドランドをさらに建設することにより海岸侵食が確実に抑えられたという結果となり、再建設に至った経緯と判断できる。 ◇関東地方整備局オフィシャルホームページより抜粋◇ <写真1> ●行政としての意見内容● さらに行政の意見も垣間見ることができる。関東地方整備局オフィシャルホームページに書かれている内容は以下になる。 <関東地方整備局オフィシャルホームページ> http://www.ktr.mlit.go.jp/ <循環型社会の構築・地球環境問題への対応の推進について> 〜千葉一宮海岸〜 一宮海岸は九十九里海岸の南部に位置し、白砂青松の風光明媚な景観を有する海岸である。 また、海岸の背後には別荘やペンション、保養所などが立地し、海水浴場やサーフィン、保養地として通年、高度に利用されている。 しかし、近年大規模な汀線の後退や浜崖が生じるようになり、砂浜の減少により貴重な国土が失われているばかりか、 高波浪時の越波による背後地への浸水被害が懸念されている。このような状況から、侵食対策として砂浜保全のための ヘッドランドを整備することにより、景観に配慮し人々の生活に潤いをもたらす安全な海岸を創出することにする。 ●一宮の海岸環境を考える会の意見内容● 一方、 一宮の海岸環境を考える会もしっかりとした考え方がある。千葉県一宮町海岸の砂浜消滅防止を考える住民の声という事で、 代表である小松直之氏より。 <千葉県長生郡一宮町海岸侵食対策事業6号ヘッドランド工事を一時中止する要望> 私たち住民の愛する千葉県長生郡一宮町は、ゆるやかな弧を描く九十九里浜の南端・北緯35度21分,東経140度22分に位置しており、西の「千葉県指定有形文化財の玉前神社」や「東浪見寺の木造軍荼利明王立像」などがある丘陵台地に対し、東にある一宮町の美しい砂浜は、太平洋の黒潮に洗われ、神輿を担ぐ人々が裸に近い姿で波打ち際を疾走することから、「裸祭り」と呼ばれる無形民俗文化財の「十二社祭り」の祭典場を有し、地曳網を使ったイワシ漁を多くの観光客が体験しています。また一宮の波は、サーフィンの世界選手権が開催されるなど県内外のサーファーたちを魅了してやみません。首都圏への通勤圏にある一宮町の海浜環境は、子どもを持つ家族の移住先としての候補地となって、やがて定住するという、その一番の理由に上げられ発展を続けています。まさに「海と太陽と緑と風」に恵まれた風光明媚で温暖な気候地域なのです。 しかし近年、満潮時には黒潮洗う美しい砂浜は消滅し、「十二社祭り」で神輿を担ぐ人々は砂浜ではなくコンクリートの上を走り、地曳網漁はできなくなり、子どもが遊べる砂浜の広さはごくわずかとなってしまいました。千葉県が海岸侵食を守るために昭和63年以降おこなっているヘッドランド(人口岬)工法については、住民や海岸利用者の間に「本当にこれで砂浜が回復されるのか」「景観や自 然環境を破壊しないで海岸の浸食を防止する対策は他に無いのか」といった疑問や批判の声があります。多額の税金を投入しておこなう公共工事は、専門家や住民の声を聞いて合意形成を計りながら進めていく必要があります。昨年夏に開かれた住民説明会で千葉県と住民双方の間でこの点が確認されたものと考えていましたが、突然2010年1月30日に住民に何の説明もなく工事が再開されました。第6号ヘッドランド(通称サンライズポイントの右側堤防)において、「ジャカゴ」と呼ばれる石を金網で包んだ基礎部分が海中に投下されたのです。今回の工事は、基礎部分の上に、コンクリートの塊防波ブロック(通称テトラポット)を砂浜と平行して200メートルも投入して、美しい海の景観を壊してしまい、海を覆ってしまう横堤工事計画であると聞きました。こうした工事が本当に実施されたままで良いのか、他には方法が無いのか。つきましては住民への説明会が行なわれるまで、「千葉県長生郡一宮町海岸侵食対策事業6号ヘッドランド(人工岬)の平成21年度工事」の一時中止を要望するとの事です。 代表 小松直之 ◇写真2は2月7日サンライズポイントにて行われた、サーファーや近隣の方との海での説明会の様子。 <写真2> 〜最後に〜 とても難しい問題になっている今回の千葉県一宮海岸砂浜消滅問題。今回は平等の立場としてこの問題を取り上げ、特集にしてみました。今、海が直面する危機をどのような方法で対処し、サーファー、地元住民、行政が何をして行くのかが大事だと思います。 いずれはなくなる地球をどこまで大切にしていけるか。そして、地球で生かされている地球人が、海という偉大な自然とどこまで共存共栄していけるのか。いま試されているのは、サーファーだけで無く日本人全てが試されている気がするのは僕だけでしょうか? TEXT:RED-Y ◆全てを、把握した上でやはりこの問題に賛同するという方は電子署名なども可能となっておりますので、署名等宜しくお願いします。