2007/08/04 DAY-5
2007A.S.P. WQS 6STAR 夢屋ビラボンプロタハラ大会5日目。
会場をロングビーチ(大石海岸)に戻して早朝 7時30分に、ラウンドオブ48の12ヒート、続けてラウンドオブ24の8ヒートが行われた。
勝ち残っている日本人選手たちのさらなる活躍が期待されたが、ラウンドが進むにつれてハイレベルになるサーフィンと、トリッキーなコンディションに思うように実力が出せずに敗退していく選手が多かった。
天候は晴れ、波のサイズは1メートル前後、朝のうちはセットで1.5メートルほどあり、オンショアの風の影響で波のフェイスが荒れてはいるものの、コンテストには十分なコンディションだった。数は少ないものの中にはハイポイントライドが可能なクリーンな波もあり、波の選択のよしあしが勝敗を左右した。午後になると潮が引き始めてややサイズダウンしたが、そこは世界のトップレベルのサーファー。見ごたえのあるサーフィンをギャラリーに見せてくれた。
早朝のヒートでまずギャラリーを驚かせたのが、ラウンドオブ48の第3ヒートのトロイ・ブルックス選手(オーストラリア)。オープニングウエイブで 9.17、中盤に8.00のライディングをそろえ、残り時間10分のところですでに勝ちを確信して海から上がってきてしまった。トロイ選手はASPワールドツアー(WCT)の選手で、実力はほかのWQS選手より数段上。このような難しいコンディションでもセットのいい波を取り、大きなスプレーを上げ、きちんと自分の仕事をしてハイポイントを重ねていたのは、さすが世界トップレベルの選手だ。
次の第4ヒートに出てきた若手のデーン・レイノルズ選手 ( アメリカ ) は、すでにビデオなどではロックスター並みの人気を誇る選手。来シーズンのWCT入りを目指して今シーズンは意欲的にWQSを回っている。レイノルズ選手の売りは、エアリアル。スケートボードやスノーボードのテクニックのように波から飛び出し、空中を自由自在に飛び回る。このヒートでレイノルズ選手が見せてくれたスペシャルテクニックは、6フィートは飛んだかと思われる高い高いフリップ系の、タテに回った感じのエアー。着地も1ミリもぶれることなく完璧に決め、ワンマニューバーながら今大会のハイエストポイントとなる9.90をたたき出し、会場を埋め尽くしたギャラリーの喝采を浴びていた。
日本人選手は田中樹、田嶋鉄兵、小川幸男の3人とも、チャンスがありながらうまく生かしきれずにラウンドオブ48で敗退。田中樹、小川幸男選手は37位で、賞金1,000ドル、813ポイントを、田嶋鉄兵選手は25位で、賞金1,200 ドルと875ポイントをそれぞれ手にした。
4人残っていた日本人選手の中でただひとり、ラウンドオブ24の3人ヒートにアップしたのが林健太選手。ラウンドオブ48では、現在世界で最も注目される若手のジョーディ・スミス ( 南アフリカ ) を破ってのヒートアップだっただけに、ラウンドオブ24での活躍が期待された。波の取り合いをきらって、ひとり海に向かって右側のピークにポジショニングする作戦に出て、クリーンにブレイクしない波に手を焼いたものの、いい波を選び、先行された対戦相手たちを追ったが、惜しくも届かなかった。しかし日本人選手としては大健闘の2007A.S.P. WQS 6STAR夢屋ビラボンプロタハラ17位入賞。賞金1,800ドル、1125ポイントを手にした。
ラウンドオブ48でハイポイントを出したデーン・レイノルズ選手や、ジョーディ・スミス選手もラウンドオブ24で敗退してしまう中、ディフェンディングチャンピオンのロイデン・ブライソン選手(南アフリカ)、現在のWQSポイントリーダーで、2002年のこのイベントの優勝者のティアゴ・ピレス(ポルトガル)選手、好調のトロイ・ブルックス選手(オーストラリア)、ジュニアイベントの優勝者エイドリアーノ・デ・スーザ選手(ブラジル) などは順当にファイナルデーにコマを進めた。
text by mic加藤
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