2006/08/06
A.S.P WQS 6star Event
「 Billabong presents Yumeya Tahara Pro 」
DAY-10
「 Billabong presents Yumeya Tahara Pro 」も本日が最終日。
今日の赤羽根ロングビーチのコンディションは、高気圧に吹き込む風と遠い台風からのウネリが入り、なんと波は腹から胸、セットで肩というサイズ。大会期間中で一番サイズがあったのではないだろうか。
まずはラウンドオブ 16 がスタート。しかし、南東の風が吹き込む会場は、快晴ながら、霧が発生。試合を一時中断する場面もあったが、多くのギャラリーの声援を受け、選手は熱い戦いを見せてくれた。
このラウンドからマンオンマンの対決。ここからプライオリティールール、つまり自分が演技をしたら、次に相手が優先的に波に乗ることができるというルールが付け加えられる。相手との駆け引きはもちろん、時間配分や点差により演技の内容を考える必要があり、このルールをどれだけうまく使うか勝負の分かれ目となる。これをうまく利用したのはカーク・フリントフ (AUS) 、ネコ・パダラッツ (BRA) 、ビクター・リーバス (BRA) 、トロイ・ブルックス (AUS) 、マルセロ・ヌネス (BRA) など WCT 経験者。ここまで好調だったロイ・パワーズ (HAW) 、ニック・ライリー (AUS) 、 TJ ・バロン、ジェルミー・フローレンス (REU) 、ダスティン・クイゾン (HAW) はここで敗退。さらに昨年のディフェンディングチャンピオンのダニーロ・コスタ (BRA) もビクター・リーバス (BRA) との戦いで、シーソーゲームになるものの僅差で敗れた。
続いてクォーターファイナル。ヒート 1 ではカーク・フリントフ対ネコ・パダラッツ。パワーサーフィンのネコが、エアーのカークを軽く撃沈。ヒート 2 はロイデン・ブライソン (ZAF) 対ビクター・リーバス。ビクターは左の岩場のポイントへ。相対するロイデンは正面右に移動。ここは競るのを避けたロイデンがマイペースな演技でラウンドアップ。ビクターは全く良いとこが出せず終了。ヒート 3 はトロイ・ブルックス対マルセロ・ヌネス。トロイの頭脳プレイにマルセロはインターフェアを犯し、ベスト 1 ウェイブに。よってニード 13.50 ポイントは 1 本の演技では勝てないということで終了 5 分前に降参。ヒート 4 はレオナルド・ネベス (BRA) 対ベルナルド・ミランダ (BRA) 。ここはベルナルドが自由に攻めてやりたい放題。レオナルドはこのヒート、ファーストマニューバーが甘く、まったく点が伸びず敗退。
さあ、セミファイナルのヒート 1 はロイデン・ブライソンとネコ・パダラッツ。やはりここはグイグイ押すタイプのネコが有利かと思えば、ロイデンはエアーを織り混ぜ対抗。一本乗るたびに順位が交替する僅差の勝負は、バリエーションを見せたロイデンがラウンドアップ。ヒート 2 はトロイ・ブルックス対ベルナード・ミランダ。トロイが大方の予想どおり終始ヒートをリード。ベルナードの逆転に必要なポイントは 7.12 ポイント。そして、最後の 1 分を切った時、優先権はトロイ。それまで張り付いたトロイだったが、波が良くないと判断したかそのままスルー。ベルナード、これにすかさずテイクオフ。そこからワンターンで当て込み、続けて 2 発。これに 8.00 ポイントがついて、なんと大逆転で決勝進出を決めた。トロイは最後のツメが甘く悔しい敗退。
さて、ファイナルはフレッシュな組み合わせ。 15 分のブレイク後、ロイデン・ブライソン (ZAF) とベルナード・ミランダ (BRA) の対決がスタート。先程の勢いのまま、ホーンが鳴るとすぐテイクオフしたベルナード。まずは軽くリッピングしてプルアウト。気持ちが乗っているのか、まだ興奮覚めやらぬ状態なのか、少し乗り方が粗い気がする。それに対しロイデンは、じっくり波を選んで勝負し、まんまとこれが的中。まずは肩の張るレフトの波にリップを 4 発。それもファースト、セカンドマニューバーはすべてワンターンでスムースなリップというお手本。なんと最初の演技で、 9.00 ポイントをたたき出した。さらに圧巻は 4 本目の演技。サイズアップしたレフトのセットをディープにチューブイン。会場からは悲鳴に近い歓声が上がり、姿を見せたと思えば最後はロールインで、 9.83 ポイント。これでトータル 18.83 ポイントとなり、ベルナードをコンボに追い込む。そのベルナード、何とか追いつこうと演技するものの今度は緊張からか、動きが固く点が伸びない。このまま終了かと思った 5 分前、リップに加え、滞空時間が長いエアーで 8.17 ポイントを獲得。応援団も俄然元気を取り戻すが、MCのコールで一回の演技では逆転はできないとわかり意気消沈。最後はベルナード自ら、負けを認めロイデンに拍手を送り、ここでタイムアップ。ロイデンは優勝賞金 $15,000 とともにビッグタイトルを手に入れた。
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