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2006年度 A.S.P WLT 4Star 田原ロングボードプロ
TAHARA LONGBOARD PRO

2006/07/28
A.S.P WLT 4Star
田原ロングボードプロ

DAY-1

 ロングボードの世界大会がここ田原にやってきた。今年は Mens の世界大会が 3 戦のみ行われ、この田原の大会が最終戦となる。
  この大会にはハワイ、アメリカ、ブラジルの強豪が集結。
  今年の 6 月千葉で行われた「太東ロングボードプロ」の優勝者アレックス・サラザール (BRZ) を始め、 2 位のケビン・コネリー (USA) 、 3 位 ディエゴ・ローサス (BRA) 、 4 位 ボンガ・パーキンス (HAW) とファイナリスト全員が再びエントリー。それを迎え撃つ日本勢は、今期 JPSA ランキング 2 位の宮内謙至、 3 位 松山欣則、 6 位 木下デヴィット、 10 位 石塚晃、 13 位 尾頭信弘らが参戦。さらに吉川祐二、鈴木剛、真木蔵人ら実力者に加え、地元愛知からも多数集結し、初日から見逃せないヒートが続いた。

 本日のスケジュールはラウンドオブ 72 からラウンドオブ 48 のヒート 4 まで。レギュレーションは 1 ヒート 20 分、マキシマム 15 本でベスト 2 ウェイブとコールされた。会場の波のサイズは朝一で胸ぐらい。潮が引いた午後にサイズが腰腹と下がるものの、大きな影響はなし。風は南西のサイドオンショアというコンディションでヒートが進行した。

 今日のラウンドで一番目立ったのはカノア・ダーリン (HAW) 。ラウンドオブ 64 では、テイクオフからすぐにハングファイブ。さらに板を大きく切り返すカットバックで、ハイエストとなる 7.25 ポイントを奪取した。さらに次のラウンドオブ 48 では、波を見事にコントロール。波が早い場面でハングテンを決めたと思えば、緩慢なミドルセクションでは大きなラウンドハウスカットバック。このスピーディーな動きに加え、メリハリのある演技でハイエストを更新。 7.75 ポイントをたたき出して、余裕のラウンドアップを決めた。ただ昨日の練習中、ボトムにヒビが入るアクシデントがあり、緊急処置でテーピングした板が気になるところ。明日以降の試合に影響がなければ良いのだが・・・

 日本勢では塩川伸一が伸びのあるリッピングを見せ確実に勝ち上がったかと思えば、今回も真木蔵人が魅せてくれた。セットが減り始めた中で、緩慢な波を全体重をかけカットバック。さらにインサイドでハングテンを決めて蔵人スタイル全開。一味違った演技で明日へ駒を進めた。

 さて、明日は 7 時 30 分にファーストコール。ラウンドオブ 48 のヒート 5 から続けてスタートする予定。トップシードも全員登場。明日もお楽しみに!

 

   

2006/07/29
A.S.P WLT 4Star
田原ロングボードプロ

DAY-2

 大会 2 日目、会場は西北西の弱いサイドオフショア。波は腰〜腹と昨日よりはサイズダウン。ワイドなブレイクで少し速めという感じ。

  本日はラウンドオブ 48 のヒート 5 からスタート。まずは地元の濱、桜岡が登場。応援団も声援を贈るが、あと 1 本が足りず残念ながらここで敗退。ここは JPSA プロの土屋昌平、 北村 吉代らが確実にラウンドアップを決めた。
  続いてラウンドオブ 32 。トップシードが登場するマネーラウンドに突入すると、いきなり演技が変わった。まずはヒート 1 ではケビン・コネリー (USA) が、華麗なノーズライディングを披露。しかも 3 連チャンの複合技でいきなり魅せた。これには会場からも大きな歓声が上がる。ケビンの凄いところは、波を見る力があること。板を波に合わせ、常にパワーゾーンをキープして演技をする。無理やり板を動かすのではなく、レールをうまく使ってボードをコントロール。これこそロングの基本なんだろう。

  ヒート 4 には今年の 6 月、コスタリカで行われた WLC(World Long board Championship) のチャンピオン、ジョシュ・コンスタブル (AUS) が登場。レールの切り返しやリップに関しては、まるでショートボード。もちろんクラシックなレールワークもできるが、掘れたところに当て込むのはオーストラリアの攻めるサーフィン。なんとこれで本日のハイエスト 9.50 ポイントを奪取。評判どおりの実力を見せてくれた。
  続いてヒート 5 にはボンガ・パーキンス (HAW) 。波は引きに向かい胸ぐらいまでアップ。ライトウェイブに絞る選手の中で、ボンガ一人、レフトの波にテイクオフ。なんとリッピングを連発したかと思えば、最後には大きなフローターでフィニシュ。会場は歓声を通り越し、どよめきに変わる。これにはなんと 9.90 ポイントがコールされ、ハイエストの記録更新。格の違いを見せつけられた。さて、このラウンドで出場予定だったアレックス・サラザール (BRZ) とディエゴ・ローサス (BRA) は残念ながら欠場。次回の参戦に期待したいところだ。

 続いてクォーターファイナル。潮が動き、波数が減り始めた。このラウンドでは波運が勝敗を左右する結果となった。昨日まで好調の真木蔵人、板の修理が間に合ったカノア・ダーリン (HAW) は、積極的に攻めるも得点は伸びず。惜しくもラウンドアップできずにここで終了。さらにジョシュ・コンスタブルもまったく波に乗れず、コンボという屈辱の敗退で終わってしまった。このラウンドは確実にポイントを稼いだケビン、ボンガ、エリック・サマー (USA) に加え、木下デヴィット、尾頭信弘、吉川祐二らが盤石の勝ち上がりをみせ明日へとつないだ。

 明日は 7 時 30 分にファーストコール。セミファイナルからスタート予定。その後、エクスプレッションセッションが行い、ファイナルへ。今年の最後のロングボードの試合は、最後まで熱戦が予想される。明日はぜひ会場へ!

 

2006/07/30

A.S.P WLT 4Star
田原ロングボードプロ

DAY-3

 大会 3 日目、「 TAHARA LONGBOARD PRO 」は最終日。本日はセミファイナルからのスタートとなった。

  ここ伊良湖は本日も快晴。梅雨明けの日曜日ということもあり、多くのギャラリーが赤羽根ロングビーチに集まった。
  会場の波は昨日よりサイズダウン。トロ厚くなかなか割れづらいヒザ、セットでモモという感じ。風は北西のオフショア。選手はテイクオフしてすぐにノーズライド。バランスを取りながらボードの上をウォーキング、再びノーズへという繰り返し。どれだけ長くノーズライドができるか、もしくはバリエーションを見せられるかが勝負の分かれ目となった。

 ヒート 1 ではケビン・コネリー (USA) がマジックフットの名を見せる演技で 8,25 、 6.65 ポイント、トータル 14,90 ポイントで勝ち上がり。さらにエリック・サマー (USA) もライトのセットをつかみノーズライド。板を切り返しインサイドまでうまくつなぎ、トータル 13.50 ポイントで決勝へ。残念ながら木下デヴィット、モリタイキはここで敗退。

  ヒート 2 ではボンガ・パーキンス (HAW) が今日も見せてくれた。終了直前の 5 本目レフトの波をテイクオフ。速めのブレイクに合わせリップ連発。インサイドのショアブレイクに大きなターンで板を当て込みフィニッシュ。会場から大きな歓声が上がる。これには本日の最高得点 9.25 ポイントがついた。これで余裕のラウンドアップ。もう一人は長いノーズライドを決めた日本の尾頭信弘。吉川祐二、キーガン・エドワーズ (HAW) も果敢に攻めるも、あと一歩及ばずここで敗退が決まった。

 さて、ファイナルの前はエクスプレッションセッション。これにはジェイソン・スズキ、石塚晃、ヨシダユタカ、若林敦、池田潤、ジャスティン・ハグロン、ダレン・レーディンガム、モリタイキ、濱クニヤス、木下デヴィットの 10 人が参加。石塚晃と池田潤が1本の板に乗り笑顔でインサイドまで。見ているこちらまで楽しくなる。そんな中、謎のスパイダーマンが登場。これで会場が一気に盛り上がった。最高のメンバーで最高の演技。またロングの楽しさを教えてもらった。

 さあ、ファイナル。ケビン、エリック、ボンガに日本の尾頭信弘。まずはケビンが右に左にテイクオフ。ノーズライド、スイッチスタンス、ワンフットとあらゆるバリエーションを見せつけポイントを重ねていく。エリック、尾頭はハングファイブからハングテンで攻めるが、今一つポイントが伸びない。ボンガはセミと同じ右で待ち、レフトの波を待つ。しかし、先程のセットは入らない。我慢仕切れず左に移動するが、ここでタイムアップ。先攻逃げ切りで、優勝の栄冠をケビンが手に入れた。 2 位はエリック。 3 位 ボンガ、 4 位 尾頭信弘という結果。エクスプレッションセッションのベストノーズライディング賞にはクールに決めた木下デヴィット。ハイパフォーマンス賞にはスパイダーマンに変装したカノア・ダーリン (HAW) が受賞した。これで今年の日本のロングボードの国際大会がすべて終了。この大会が見せてくれた世界標準。これは日本のロングボードにとって大きな一歩となったことであろう。来年の日本人の活躍を期待したい。

 本日のスケジュールはロングボードの終了後、続いて WQS 6star 「 YUMEYA TAHARA PRO 」のトライアルが行われた。ここはジョシュ・フラー (AUS) がぶっちぎりの強さを見せ本戦へ。また原田正規も実力の違いを見せ、明後日へつないだ。

 

 

   


 

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