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サーフィン業界舞台裏 密着取材

サーフボード シェイパー

サーフボードのシェイパーの「ある1日」を密着レポート!! 


■今回密着レポートするのはこの人
石井勇さん
会社: ポスティブダイレクション(POSITIVE DIRECTION)
仕事内容: サーフボードのシェイパー
勤務時間: 9:00〜17:00

千葉県いすみ市在住
ニックネーム: イサムさん
現在の仕事歴: 24年
年齢: 46歳
この仕事のいいところ: いろんな人との出会いがあること。


   

AM 8:44
サーフボード工場に到着 〜
朝のミーティング


  AM8:44、勇さん事務所に到着。まずは事務所でFAXのチェックから始まる。サーフボードのオーダー用紙を見て、記入漏れなどがないかどうかをチェックする。

  その後はシェイパー3人で今日の各自の仕事内容を打ち合わせ。各シェイパー宛に届いたオーダーシートを見ながら、スケジュールなどを話し合う。

  オーダーシートには、「シャープな板を好みます」、「色は水色(薄めで)」 などと、かなり曖昧な情報が記入されています。これらの情報を元に各ユーザーに合ったボードを削るのはまさに職人技!サーフボードをシェイプするときには各ユーザー情報を考えてシェイプするそうだ。以前にシェイプしたボードの情報や、一緒に海に入ったことのあるユーザーならどんなライディングをしていたか、どんなライディングをしたいか、などの情報を元にサーフボードを削りだす。まさに「オーダーメイド」の1本だ。



 

AM 9:33
シェイプ開始


  打ち合わせが終わるとシェイプに取り掛かる。まずはシェイプ用の服に着替え。その後、オーダー用紙に従って、ボードを削りだす。
  基本的にはシェイプする本数は1日に3本。午前中に1本と午後に2本。各ユーザー情報を元に集中してシェイプすると、この本数が限界となるそう。

  サーフボードを削るには意外と工程が多い。ブランクスと呼ばれるウレタン素材にボードのアウトラインを鉛筆で書く。ブランクスに専用のマシンでロッカーをつける。マシンを用いて、粗く削る。ヤスリを用いて細かく削る。フィンの位置を決める。全てが細かい作業で集中力が必要だ。午後まで2時間強の時間を掛け、渾身の1本を削りだす。

*サーフボードのシェイプとは、ブランクスと呼ばれるウレタンフォームをサーフボードの形に削ること。その後、2つの工程を経て通常目にするサーフボードとなる。その後の2つの工程とは、、、
1.ラミネート : シェイプされたブランクスにガラスクロスを巻き、樹脂でコーティングする
2.サンディング :  ラミネートの後、ヤスリでボードの余分な樹脂を削る







AM −:−−
工場見学&シェイプに使う道具を見せてもらいました


  工場には、ブランクスがたくさん置いてあります。ブランクスも1種類ではなく様々なものがありました。昨年、世界一のブランクス会社で高品質のフォームを提供していた「クラークフォーム」が倒産したため、POSITIVE DIRECTIONのサーフボード工場では上質なフォームを求め、いろいろな会社が提供するフォームでサーフボードを作り、テストを繰り返しています。そのため通常よりも多くの種類のフォームがありました。

  近年のレトロボードブームで、工場には4FINのレトロボード試作のためのブランクスなどもありました。シェイパーの勇さんは、「シェイパーの技量は常にレベルアップし、進化しなければならない」と言っており、より良いボードを提供するために、通常のシェイプ以外にテストボードを作り、試行錯誤を繰り返しているそうだ。





AM −:−−
ラミネート工場を見学


  シェイプルームの上のフロアには、ラミネートルームがある。ここではシェイプされたブランクスにガラスクロスを巻き、樹脂でコーティングする作業が行われる。そのときに、ディケール(ロゴマーク)を入れたり、色をつけたり、FINを立てたりする作業がある。
  これらの作業はシェイパーではなく、ラミネートマンと呼ばれる職人が行う。




   

PM 12:33
POSITIVE DIRECTIONのライダー達と昼食


  この日は午後から契約ライダーと合流し、シェイプしたサーフボードの動きをチェック。
  海へ入る前に、まずは腹ごしらえから。みんなで中華料理を食べる。雑談をしながら、ライダーからサーフボードの乗り心地や、次のサーフボードの要望などを聞いている。
  ライダーからのフィードバックを受け、それをシェイプに生かす。こうしてより良いサーフボードへと進化していくのだそうだ。





   

PM 1:51
海に到着。ライダーのライディングチェック&勇さんもサーフィン


 勇さんの古くからの友人のタケシさんのSANWA HOUSEに車を置かせてもらって、歩いて某ポイントへ。
  今回のライダーは、吉岡健プロ、大沼祐輔プロ、市東真樹人AM。みんないつもこのポイントで入っているだけあり、海では目立つ存在だ。ライダーの波乗りをチェックしてから、「ちょっとやってくる」と勇さんもサーフィン。

  ライダーのライディングはビデオに撮って、後でチェックする。海から上がった後は、ライダーと波、ボードについて、いろいろと話合う。

  ライダーとは、サーフボードのことはもちろん、大会のこと、プライベートなことなど、いろんな話をする。いろんな部分でお互いに信頼しあえる関係を築くことが大切なのだそうだ。「シェイパーという仕事の醍醐味は、ライダーやユーザー、その他多くの人とのコミュニケーションがあり、多くの人と関係を築いていくことにある」という。

→この日の勇さんのライディング








 

PM 4:48
サーフィン終了、次の仕事へ


 サーフィン終了後、この日は地元のサーフィン組合の会合へと行きました。地元でサーフィンに携わる仕事をしているので、サーフィン組合ともいい関係を築き、サーフィン発展のために貢献していくとこも仕事の1つだという。

  さらに会合の後は、ポスティブダイレクションがサポートする大沼祐輔プロのお祝いパーティーに出席。シェイパーの仕事はシェイプ以外にもたくさんある。


   


 

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